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 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、岐阜県の古田肇知事は9日に記者会見し、3度目となる県独自の非常事態を宣言した。県民や事業者らには「感染が日常化している。一人ひとりが感染防止策の徹底を」と呼びかけた。

 緊急対策として、リスクを伴う飲食の自粛など県民の行動の見直しや、酒類を提供する飲食店などへの営業時間の短縮要請の延長・強化、医療機関の病床を625床から884床、宿泊療養施設を466床から616床への増加を目指すことを掲げた。県は11日、臨時県議会を開き、150億~170億円規模の第9次補正予算案を提出する。県民には昼夜や自宅、外食を問わず、大人数や長時間の飲食、午後8時以降の外出、県をまたぐ不要不急の移動の自粛などを求めた。

 県によると、感染リスクが高い飲食に関連したクラスター(感染者集団)は昨年12月以降、23件発生。職場や学校、家庭内など日常のあらゆる場面で感染が多発している。特に高齢者は重症化する可能性が高く、県内の死亡率が1・5%なのに対し、70歳以上の死亡率は10・5%という。20~50代の現役世代が親世代の高齢者に感染させるケースが目立つという。

 県庁で9日にあった対策協議会に出席した県医師会の河合直樹会長は「風邪のような軽い病気ではない」、県病院協会の冨田栄一会長は「高齢者の患者が増えれば入院期間も長期化し、人手もかかる」と警鐘を鳴らす。また、「Go To キャンペーン」の再開のめどが立たない中、県観光連盟の岸野吉晃会長は「強めのブレーキを掛け、1日も早い終息を」と迫った。

 古田知事は「非常事態であっても『自宅待機ゼロ』を維持し、県民が安心できる医療を確保する。そのうえで持続可能な経済活動ができる環境を整えたい」と話した。(松永佳伸)

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 岐阜県と岐阜市は9日、10歳未満~90代の男女105人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日あたりで発表された新規感染者数としては、6日の102人を上回って過去最多で、県内の感染者数は延べ2973人となった。入院中だった羽島市の70代男性が亡くなり、死者数は45人となった。

 県によると、クラスター(感染者集団)が新たに3件発生したと認定された。

 1件目は海津市の会社の従業員3人と、同居家族などが感染したクラスターで、計12人が感染した。2件目は1、2日に集まって飲食した笠松町と岐阜市の親族7人のクラスター。3件目は岐阜市の男女5人で、知人同士で飲食して感染し、同居家族に感染が広がったという。

 すでにクラスターと認定されている各務原市の通所型介護施設では、利用者と接触のあった親族など4人が新たに感染し、計21人となった。

 県によると、2~8日の1週間での人口10万人あたりの新規感染者数が岐阜県は26・18人だった。国の分科会が示す最も深刻な指標「ステージ4」(25人以上)にあたり、全国で10番目に多かった。

 県健康福祉部の堀裕行次長は「岐阜圏域と中濃圏域で特に感染者が多く、極めて厳しい状況だ」と話した。

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 9日に感染が発表された105人の居住地は次の通り。

 岐阜市30人▽大垣市12人▽各務原市8人▽土岐市5人▽可児市5人▽北方町4人▽神戸町4人▽川辺町4人▽笠松町4人▽関市3人▽海津市3人▽瑞穂市3人▽岐南町3人▽恵那市2人▽羽島市2人▽大野町2人▽池田町2人▽養老町2人▽瑞浪市1人▽美濃加茂市1人▽揖斐川町1人▽白川町1人▽垂井町1人▽愛知県(岐阜県内で受診)2人(藤田大道)

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