ハラスメント、「他人のせい」にする勇気 富永京子さん

有料会員記事

立命館大准教授
[PR]

富永京子のモジモジ系時評

 あまり認めたくないが、やはりハラスメントに遭っていたんだと思う。

 今から数年前のことになるが、ある研究会の運営委員会のメールが突然、来なくなった。要は「はずされた」のだ。事前に一切の連絡がなかったため、原因はわからないし、追及する勇気もない。その話をしたら、それはハラスメントでは、と同僚に驚かれた。専門も近く、尊敬する年長の先生方がハラスメントなんかするわけがない、自分が悪いのだと思い込んでいたから、そう指摘されても信じられないまま数年が経った。

 学生や市民の方から同じような相談を受けた際には「それはハラスメントだ、相手が悪いに決まってる」といつも言う。ただ、自分のことだとそうはいかない。「いじめられた人」として自分を見なしたくないというのも、理由としては十分にあるだろう。それくらい私達(たち)は「強く」あること、「弱さ」を克服することが自立した人間の要件だと思わされている。

 さらに言えば、他者を「責め…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら