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 ラグビー大学選手権決勝は11日、東京・国立競技場で連覇をめざす早稲田大と初優勝をめざす天理大が対戦する。早大は相良南海夫監督が「誰にでもチャンスはある。努力は報われる。下にいる選手たちが、そう感じてくれたら」と評する苦労人が先発する。

 福岡・修猷館高から1浪して伝統校の一員となったCTB平井亮佑(4年)。浪人経験者で唯一、決勝の先発メンバー入りを果たした。「強い突破とタックルに何回もいくことが僕の役割。先発の責任を持って接点で絶対に引かない」。卒業後は一般企業に就職し、競技の第一線から離れる。「本格的なラグビーは最後になる。楽しんで勝ちきりたい」。強い覚悟で臨む。

 174センチ、85キロと体は大きくない。高校時代の目立った肩書もなく、先発に定着したのは今季。「つらい時に腐らない。あきらめない」。光が当たらない時も努力を地道に積み重ねてきた自負はある。仲間からの信頼も厚く、丸尾崇真主将は「泥臭く体を張れる。誰が相手でもやってくれると信じている」と語る。

 決勝では天理大のエース、187センチ、105キロのCTBフィフィタと向き合う。「大学のCTBで一番強い選手。自分から前に仕掛けて、何度でも立ち向かっていく」。サンウルブズでも結果を残した近い将来の日本代表候補との対照的なマッチアップは、勝負を分ける焦点となる。

 昨年11月の早慶戦で足首を痛め、試合から遠ざかった。その間、神奈川・桐蔭学園高を全国制覇に導いた同ポジションの1年、伊藤大祐が台頭。準決勝の帝京大戦でも活躍した大型新人を競争相手と意識した時期もあったが、今は違う。「器用で何でもできる選手。自分は尊敬しているし、チームの刺激になる」。交代して後を託せる存在がいるから、試合開始から全力を出し切れる。

 「早稲田を目指す学生に希望を与えられる存在に」と相良監督。無印の意地を示す時が来た。(野村周平)