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 静岡県内の自治体で10日、成人式があった。新型コロナウイルスの感染拡大で、式典の中止や県外からの参加自粛などを求める自治体が相次ぐ中、ドライブイン方式やウェブ配信など工夫して、大人の門出を祝った。(阿久沢悦子、須田世紀)

 島田市の成人式は新型コロナウイルス感染拡大防止のため代表15人が参加し、インターネットでライブ配信された。配信を担ったのは、島田工業高校情報技術科放送技術班の8人だ。

 市から昨年12月28日に配信依頼があり、冬休み明けの6日から準備を進めてきた。同科は例年、高校野球や市文化祭の中継で技術を磨くが、昨年は新型コロナウイルスの影響でいずれも中止となった。生徒らは市の施設で被写体のいない自主連を余儀なくされた。それだけに、突然飛び込んできた大仕事に張り切って取り組んだ。

 会場は会議室。大容量の電源が取れないため分電盤を作り、電気工事も請け負った。高校で電気工事士の国家資格を取ったからできたという。カメラは5台。固定以外の3台は山田涼雅(りょうが)さん(3年)、伊藤心希(もとき)さん(2年)、舩島珠凜(ふなしましゅり)さん(1年)が担当した。

 式では市内在住の新成人の一人でプロの三味線奏者ハレルヤ(大塚晴也)さんの演奏もあった。音響の湯脇諒太(りょうた)さん(3年)、照明の水野主喜(かずき)さん(1年)が津軽じょんがら節に合わせ、プランを練った。テロップは山田優太さん(2年)が作成した。

 ディレクターは井上洸貴(こうき)さん(3年)。カメラを切り替えたり、手話通訳のワイプを入れたり。「ライブ配信はミスが許されない」と本番に臨んだ。

 40分の緊張に耐えたプロデューサーの天野太瑚(だいご)さん(3年)は「僕が見ている限りではノーミスで乗り切った。配信を見て、新成人のみなさんがよい門出を迎えられたなら、うれしい」とホッとした様子だった。

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 静岡県焼津市の焼津漁港ではドライブイン形式の成人式があった。新型コロナウイルスの感染防止のため密にならない屋外で、と市が知恵を絞った。

 市は岸壁に300台の駐車スペースを用意。式は3回に分けて行い、1回目には新成人が分乗した約200台が並んだ。音声はスピーカーと動画サイトのライブ中継で流した。

 中野弘道市長は「漁港から見える富士山も祝福してくれています」とあいさつ。新成人代表の砂川響(ひびき)さん(20)は「郷土焼津に誇りを持ち、新しい時代を担うものとして羽ばたくことを誓います」とあいさつ。晴れ着姿で参加した松野愛理さん(20)は「車の中なので寒さもなく、よかった。でも、友達に会いたかったなぁ」と話した。

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 浜松市では、すでに式を終えている2地区を除く38地区の成人式があった。市内の新成人は計7647人で、この日の対象者は7631人。市はコロナ禍で首都圏の1都3県で緊急事態宣言が出されたことを受け、5日以降に宣言地域から帰省する新成人に対し、式への参加自粛をお願いした。全体の参加率は昨年より6・1ポイントの減という。

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