任天堂や武田薬品に「指南」も ESG投資が開く世界

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欧州総局・和気真也
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経世彩民 和気真也の目

 京都の花札会社から世界的なゲーム企業に育った任天堂。約130年の歴史を持つ会社に昨年、女性の社外取締役が誕生した。女性役員の不在が長く課題とされてきた同社を動かした背景には、遠くロンドンに住む女性の存在があった。

 世界的な資産運用会社「フェデレーテッド・ハーミーズ」に勤める鈴木祥(さち)さん。鈴木さんが務める部署「EOS」は、直接の運用ではなく、年金基金など機関投資家らを顧客に持ち、彼らに代わって投資先企業にある「指南」をする。

 鈴木さんらのチームが任天堂に関わり始めたのは2016年。「世界でゲーム機を販売し、女性ユーザーも多い。それなのに、女性役員がいないことに疑問を持った」と鈴木さんは話す。イノベーションや職場環境づくりに、ダイバーシティー(多様性)は欠かせない。任天堂の幹部らと何度も面談を重ね、重大な意思決定を下す取締役の多様性の大切さを説いた。20年6月の株主総会で、女性社外取締役の起用につながった。

拡大する写真・図版米ボストンで開かれたゲームイベントで昨年2月、任天堂のゲーム機「ニンテンドースイッチ」を操作する来場者ら=AP。世界で販売するゲーム機は女性ファンも多い

 鈴木さんの助言は、企業が社会の要請にあった活動や環境への取り組みを十分にしているかを基準とする「ESG投資」の観点でなされる。長期的な視野に立ち、社会と歩む上での課題を提示して対応に導くことが、企業と株主の利益になるという信念がある。

 チームは他にも、日本企業に変革を迫ってきた。ユニクロを展開するファーストリテイリングには、サプライチェーンまで含めた労働環境に責任を持つよう、積極的な情報開示を促した。武田薬品工業には取締役の報酬の透明性を向上させた。

 英国発祥のハーミーズは、E…

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