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「置いておくだけでカネに」 核燃料税、依存する自治体

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室矢英樹、白木琢歩
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 原子力施設のある自治体による独自の課税が拡大していた。行き場のない使用済み核燃料に、特に課税が集中する。東京電力福島第一原発事故から10年。「原発マネー」への依存は深まる。

核燃料課税、送り出す側も受け入れる側も

 下北半島の北端近く。青森県むつ市の原野に、巨大な倉庫のような施設が立つ。使用済み核燃料中間貯蔵施設だ。

 東京電力ホールディングスと日本原子力発電が共同出資する「リサイクル燃料貯蔵(RFS)」が運営する。最終的に5千トンを、最長50年間貯蔵する。

 「財政運営は一貫して深刻かつ危機的」「財政健全化判断指標は全国で最下位クラス」。むつ市の資料にはそんな文言が並ぶ。人口5万6千人。2020年度当初予算の市税収入は59億円だ。

 市は長年、使用済み核燃料への課税を検討してきた。20年3月に条例が成立。現行案では、核燃料1キロにつき搬入時に1万9400円、貯蔵は年間に1300円をRFSに納めさせる。21年度から課税を予定し、5年間の税収見込みは計93億円にのぼる。

 市は、赤字団体転落への危機感から施設を誘致した経緯がある。宮下宗一郎市長は「国策に依存していると皆さんは見ると思う。だが自主財源として確保できれば、未来をつくる資金になる」と言う。「この資金で50年かけて、こうした事業から脱却したい」

 使用済み核燃料を受け入れるむつ市だけでなく、送り出す側も課税している。

「再稼働ますます加速」「原発依存固定化恐れ」

福島第一原発事故後、立地自治体が依存を強めている「核燃料税」。記事の後半では、その問題点を専門家が指摘します。

 むつ市から約500キロ。東…

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