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 国の名勝・岩手県宮古市の浄土ケ浜を巡る「みやこ浄土ケ浜遊覧船」は11日、最後の就航を終え、58年の歴史に幕を下ろした。地元の住民が太鼓の演奏をしたり、大漁旗を振ったりして見送った。

 最終便には約130人が乗船。家族4人で訪れた会社員、木村千尋さん(34)は「小さい頃に親と一緒に乗った思い出がある。最後の日に、自分の子どもを連れてくることができてよかった」と笑顔を見せた。

 約30年にわたって船長を務めてきた坂本繁行さん(72)はこの日もかじを握った。「いつも通り、安全に楽しんでもらうことしか考えていなかった。最後までできてほっとしている」

 遊覧船は1962年に就航。東日本大震災で3隻中2隻が被災し1隻で運航を続けたが、赤字の常態化などで事業継続が困難になっていた。

 市は船を建造し、2022年度から遊覧船事業を担う方針だ。計17年、運航事業に携わってきた県北自動車の八重樫真さん(58)は「これまでの経験を若い世代に伝え、宮古の新たな観光を一緒に考えていきたい」と話した。(藤谷和広)