マグロ好きに愛された名物店、コロナで幕 後継者を募集
2020年の年の瀬。
甲府駅近くにある一軒の名物店が店をたたんだ。
「まぐろ家(や)じん」
コロナ禍で先が見えないことが大きかった。店主の神宮寺義仁さん(71)は、つぶやく。
「困っている人はもっといるはず。政治は、そこに目を向けてほしい」
頭からしっぽまで、マグロをまるごと食べてもらいたい――。マグロ好きの山梨をアピールしようと、夫婦で1992年、市内に店を開いた。
10年ほどして駅南口から数分の路地に移転した。
2008年、仲間と一緒に商店街組合をつくり、その通りの名前を「ちょうちん横丁」に変えた。
マグロ料理だけで30品以上。メニューは豊富だ。仕入れた素材を余すことなく使う鍋も人気だった。
多い時は1日20万円以上を売り上げ、マグロ好きの客でにぎわった。
しかし、感染の拡大で様相は一変した。
昨年4、5月は休業。6月から再開にこぎつけたが、持続化給付金も夏には底をつき、厳しい状態が続いた。
店内には手作りの飛沫(ひまつ)防止シートを備え、助成金で扇風機や空気清浄器も購入した。感染症対策に気を配り、山梨県のグリーン・ゾーン認証も取得した。
けれど常連以外、ついに客足は戻らなかった。
30周年までやりたかった
「県の認証も『Go To …
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