米国務長官、フーシを「テロ組織指定」 状況悪化の懸念

ワシントン=渡辺丘、ドバイ=伊藤喜之
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 ポンペオ米国務長官は10日、イエメンの反政府武装組織フーシを「外国テロ組織」に指定する意向を明らかにした。イエメンの暫定政権とフーシの間で2015年から続く内戦は「世界最悪の人道危機」とされるが、テロ組織指定が停戦を遠のかせ、状況をさらに悪化させる懸念も出ている。

 ポンペオ氏は声明で、「市民やインフラ、商船を脅す国境を越えた攻撃を含むテロ行為の責任をとらせる」とし、「イランの干渉からの解放」も指定の理由に挙げた。米メディアによると、指定の判断はサウジアラビアの石油施設や空港へのミサイル攻撃などに基づいているという。

 内戦は、サウジ主導の有志連合軍が暫定政権を支援し、イランがフーシを支える代理戦争となって泥沼化。これまでに数万人が犠牲になった。

 昨年12月30日には暫定政権側が臨時首都としているイエメン南部のアデンの空港へのミサイル攻撃で少なくとも25人が死亡、100人以上が負傷した。暫定政権側がフーシの攻撃と主張して報復に動く中、国連のグリフィス特使が今月7日にアデンを訪れて、アブドルマリク首相らにフーシとの和平交渉再開への同意を求めたばかりだった。バイデン次期政権はサウジなどの軍事介入に批判的で、政権移行後に指定が見直される可能性もある。(ワシントン=渡辺丘、ドバイ=伊藤喜之)