トランプ氏の弾劾訴追決議案、下院に提出「反乱の扇動」
トランプ米大統領が米連邦議会議事堂襲撃事件を扇動したとして、民主党は11日、トランプ氏に対する弾劾(だんがい)訴追決議案を下院に提出した。13日にも採決される見通し。下院は民主党が過半数を占めるため、可決は確実な情勢だ。トランプ氏は2019年にも弾劾訴追されており、今回の可決でトランプ氏は米国史上初めて2回弾劾訴追される大統領となる。
弾劾訴追決議案の弾劾理由は「反乱の扇動」。6日の議事堂襲撃事件の発生前、トランプ氏が自身の支持者に対して演説し「我々は大差で(大統領選に)勝った」「もしあなたたちが死にものぐるいで戦わなければ、この国はこれ以上もたない」と発言した点を指摘。「(トランプ氏は)米国政府への暴力を扇動した」と結論づけた。
下院(定数435)に提出された決議案には、218人が共同提案者として名前を連ねており、過半数の賛同を得るのは確実な情勢だ。下院で可決された後、弾劾決議案は上院に送付され、弾劾裁判が行われる。上院は共和党が多数を占めており、有罪・罷免(ひめん)に必要な3分の2の賛同を得る見通しは立っていない。
トランプ氏は19年12月、バイデン氏親子のスキャンダルの捜査をするようにウクライナ大統領に働きかけた「ウクライナ疑惑」をめぐり、弾劾訴追された史上3人目の大統領となった。だが、共和党が多数を占める上院における弾劾裁判で無罪となった。(ワシントン=園田耕司、香取啓介)
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