飲食業界の人々、「哀しさ」を知る強さ 木村俊介さん

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聞き手・藤生京子
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 2回目の緊急事態宣言が4都県で出され、他地域にも広がりそうな気配だ。感染拡大の「急所」と位置づけられ、営業時間の短縮を要請された飲食業界の人々へのインタビューを長年続けている木村俊介さん(43)に、聞いた。

 「変わらないでいることですね」。昨年、飲食業の人たちにインタビューするたび、コロナ禍で心していることは何ですかと尋ねたら、何人もからそんな返答がありました。

 衛生面での管理を徹底する。あとはどんな局面になろうとも、ふだん通りやる。変わってはいけない。「そうしないと、非日常を味わうため来てくれるお客さんに良い時間を提供できないから」というのです。

 休業や時間短縮が求められた昨春の緊急事態宣言とそれ以降の日々も、業界全体を取り巻く状況は本当に切実だっただろうと想像します。閉店を知らせる貼り紙を、都内あちこちで、僕の暮らす京都市内でも、ずいぶん目にしてきました。

 ほとんどが望まない閉店、やむをえない選択だったことでしょう。僕自身が仕事でお世話になってきた飲食店は、比較的小さな個人経営の店が多いのですが、人を減らしオーナーだけになった、苦境をしのぐため融資を受けたといった話をずいぶん聞きました。

 営業上の厳しさに加え、世間のまなざしに傷ついたという声も強調して伝えておきたいですね。バーテンダーの団体が、行政から接待を伴う業種と一くくりにされ憤りを示したのも、この十数年、世界で高く評価されるようになったオーセンティックバーをになう誇りを深く傷つけられたがゆえの、異例のアピールです。

 もっとも、コロナ禍の日々は…

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