「永久欠番」の総書記、なぜ復活?金正恩氏の思惑どこに

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ソウル=神谷毅
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 北朝鮮の最高指導者である金正恩(キムジョンウン)氏が総書記に就任した。総書記の肩書が使われるのは2011年末に父親の金正日(キムジョンイル)総書記が死去して以来だ。翌年には正日氏を「永遠の総書記」と定め、さながら「永久欠番」だったが、その復活は何を意味するのだろうか?

 前兆はあった。平壌で開かれている朝鮮労働党大会の5日目にあたる9日、党規約改正が議論され、政務局を正日氏時代の「書記局」に戻すことが決まったのだ。この時点で北朝鮮専門家の間では「総書記の復活」がささやかれていた。

 総書記には、正恩氏の祖父の金日成(キムイルソン)主席も66年10月から死去する94年7月まで、父親の正日氏も97年10月から亡くなる11年12月まで就いている。

 正恩氏は、正日氏が11年末に亡くなって権力を継承した後、「党第1書記」に就き、16年5月の前回の党大会で「党委員長」に就任した。祖父、父親の肩書を慎重に避けていた正恩氏が、かつての決定を覆して由緒ある「総書記」に就いた背景には北朝鮮を取り巻く厳しい状況がある。

 正恩氏は権力継承後、軍事面では核とミサイルの開発を強力に進め、17年11月には「核戦力の完成」を宣言。同時並行で、経済に市場原理を部分的に導入する一種の「改革開放」を進めた。軍事力で高めた交渉力で米国と「直談判」し、制裁解除を勝ち取って経済をさらに発展させる――。この方針は、前回16年の党大会で決まった「経済発展5カ年戦略」が、まるで制裁解除による輸入の円滑化などを前提に作られていたことからもわかる。

 ところが、19年2月のハノ…

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