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 道内で5番目に人口が多かった釧路市と、6番目の帯広市の人口が逆転した。12日までに両市が発表した昨年末現在の住民基本台帳人口で、釧路が16万5667人に対し、帯広が16万5670人と3人上回った。両市とも近年は人口減少傾向にあるが、釧路の減少ペースが、比較的ゆるやかな帯広を上回った形だ。

 両市によると、昨年11月の時点で両市の人口の差は182人まで縮まっていた。これが昨年12月末、釧路が前月の151人の減少だったのに対し、帯広は34人の増加となったことで、帯広が釧路を上回った。

 釧路市は戦後、水産、石炭、紙・パルプの3大産業を柱に急速に発展。1980年の国勢調査人口は22万7千人(合併前の阿寒、音別両町を含む)を超えた。しかし、これ以降は水産資源の減少や炭鉱の閉山で地域経済は低迷し、道央圏や首都圏への人口転出が増えた。特に20~30代の転出傾向が目立つ。

 釧路市は18年1月末の住民基本台帳人口でも、苫小牧市に抜かれ、人口順位が道内4位から5位に後退している。

 釧路の今後に影を落としているのが、地元の経済を引っ張ってきた日本製紙釧路工場の問題だ。日本製紙は今年8月に釧路工場から紙・パルプ事業を撤退すると発表した。子会社を含めて計約500人が働いており、多くは市外・道外への配置転換が避けられないという。家族も含めた大規模な人口転出が心配されている。

 一方の帯広市は戦後一貫して増加傾向にあったが、2001年頃の約17万5千人をピークに減少局面に入っている。ただ、十勝地方ではここ数年、基幹産業の農業が堅調に推移しており、人口減は比較的ゆるやかな状況だ。

 十勝管内24農協の昨年の農畜産物取扱高(概算)は3456億円と、過去最高だった前年に次ぐ2番目の水準だ。道十勝総合振興局は「基幹産業の農業を中心に、周辺産業を含めて産業基盤がしっかりしているのが十勝の特徴だ」と話す。

 市の人口ビジョンによると、振興局別の人口増減率(2010年~15年)は十勝管内はマイナス1・5%だが、プラス1・4%の石狩管内に次いで最も低くなっている。釧路はマイナス4・4%だった。十勝管内は札幌圏や首都圏への人口流出は続いているが、一方で、周辺の釧路、オホーツク、日高、上川からは転入超過が続いているという。(中沢滋人、高田誠)

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 釧路市・蝦名大也市長 重く受け止めている。地域経済の基盤を強化し、雇用機会の拡大を図ることで、転出超過は近年、縮小傾向となっている。引き続き、教育などの人材育成、産業の基盤整備などに取り組む。

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 帯広市・米沢則寿市長 今後も東北海道の各都市と互いに連携、協力しながら、地域全体の魅力向上につなげるとともに、引き続き、存在感のある地域づくりに努めていきたい。

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