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 新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が首都圏に出されたことをめぐり、東京都医師会の尾崎治夫会長は12日の定例会見で、感染拡大に伴う医療提供体制の切迫ぶりについて、「感染者が1日2千人出てくる状況ではいたちごっこのよう。ほとんど限界に近い」と強い危機感を示した。

 都内では、昨年7月24日に入院患者が1千人を超えて以降、900人を下回らない状況が約半年間続いている。今月11日時点の入院患者は3355人にのぼり、昨年12月1日から倍増した。

 尾崎会長は会見で、昨春の緊急事態宣言下と比べて「今の第3波の状況の方が本当に危険で厳しい」と指摘。「コロナ患者を受け入れる体制を用意しても、あっと言う間に(病床が)埋まってしまう」と話した。

 その上で、都内で1日あたりの感染者数が3千~4千人規模に増える可能性に触れ、「このままいけば大変な事態になる。宣言が出ている1カ月、どう感染を抑えるか。お一人お一人が考えて、行動してほしい」と訴えた。

 また、自宅療養者のほか、入院先や宿泊療養先がすぐに見つからずに自宅待機となる感染者も急増していることを挙げ、「(健康観察を担う)保健所が限界にきている」と指摘した。

 こうした療養者が体調に異変を訴えた際、地域のかかりつけ医などが電話指導やオンライン診療、往診などにあたるという提案が都内の地区医師会から出ていることを紹介。感染者に安心して療養してもらうため、実施に向けて検討を進めていることも明らかにした。(荻原千明)