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 鹿児島県さつま町の養鶏場の鶏13羽から12日、簡易検査で鳥インフルエンザの陽性反応が出た。遺伝子検査で正式に確認されれば、2011年1月以来10年ぶりの県内の養鶏場での発生となる。鹿児島は肉用と採卵用を合わせた鶏の飼育数が全国最多。県やさつま町、周辺自治体は対応に追われた。

 県はこの日午後5時すぎから、緊急の対策本部会議を開催。緊張した面持ちで集まった関係部局長らを前に、塩田康一知事は「養鶏は本県の基幹産業。他の農場への蔓延(まんえん)は絶対に阻止しないといけない」と訴えた。

 詳細が分かる遺伝子検査の結果は13日未明に判明する見通しだが、県は12日に発生養鶏場の鶏や物品の持ち出し自粛を要請。周辺養鶏場についても状況確認を進め、鶏などの移動自粛を求めた。正式に陽性が確認されれば、県職員ら200~300人で発生養鶏場の鶏3万2600羽の殺処分に着手するという。

 さつま町役場にも12日、県の担当職員らが入り、消毒ポイントの設置場所の検討などが進められた。

 町農政課によると、町内には養鶏場が41カ所あり、ほとんどが食肉用。全国の養鶏場での発生を受けてウイルスの侵入対策を進めてきたといい、担当者は「(簡易検査の段階ではあるが)非常に残念な事態」と話した。今後の防疫作業については町職員も動員される見込みのため、ほかの課にも協力を求めたという。

 さつま町に隣接し、養鶏が盛んな出水市も12日夕、幹部職員による緊急会議を開いた。市内では今季、ナベヅルの死骸やツルのねぐらの水などから高病原性ウイルスの検出が相次ぎ、消毒などの防疫作業を続けてきた。今後も必要に応じ、さつま町につながる幹線道路などに市独自の消毒ポイントを設けるといった追加の対策を検討するという。(城戸康秀、小瀬康太郎)

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