俳優の綿引勝彦さん死去 「天までとどけ」で父親役

 悪役から優しい父親役まで幅広い役柄を演じた俳優の綿引勝彦さんが12月30日、膵臓(すいぞう)がんで死去していたことが分かった。75歳だった。所属事務所が13日に発表した。葬儀は近親者で営み、妻で俳優の樫山文枝さんが喪主を務めたという。

 所属事務所によると、綿引さんは2018年に膵臓(すいぞう)の手術を受けた際に進行性のがん細胞が見つかり、肺に転移したため、20年2月から本格的な化学療法を始めたという。寛解には至らず、自宅での療養を経て、12月下旬に再入院し、息を引き取った。

 綿引さんは1965年に劇団民芸に入団。85年に退団後、映画「極道の妻たち」やドラマ「鬼平犯科帳」「ナニワ金融道」など、数多くの作品に出演した。大家族を描いたTBS系ドラマ「天までとどけ」シリーズでは、昨春に新型コロナウイルス感染症による肺炎で亡くなった岡江久美子さんと夫婦役で共演した。

綿引勝彦さんの妻で、俳優の樫山文枝さんのコメント

 足かけ三年の療養でしたが、「どなたにも病気のことは、言わないでほしい」と本人の強い意志で突然の報告となったことをお詫(わ)びいたします。

 家と信州の山小屋で息抜きしながら花を植えたり好きな将棋をしながら過ごしてまいりました。きちんと身の回りの整理をしながら、先生にも「よく頑張ってらっしゃいます」とほめていただく程見事でした。夢うつつの中で、将棋を指していたのでしょうか、「投了すると伝えてくれ」とつぶやいたのですが、これで人生を投了するということでもあったのでしょうか。最期は眠るように逝きました。

 どうしてこうなったのかと嘆いたりもしましたが、仕方ないよとなぐさめあいながら、とくにこの一年はふたりで寄り添えたのが幸せでした。

 お世話になりました皆様に厚く御礼申し上げます。