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 東京都内の公園で、広葉樹の伝染病「ナラ枯れ」が広がっている。都公園協会によると、今年度は500本以上が枯れ、44本だった昨年度の10倍超に上る。梅雨が長くて気温が高かったこの夏、原因菌を運ぶ虫が活発化し、一気に急拡大したとみられるという。

 ナラ枯れは体長4~5ミリの甲虫、カシノナガキクイムシが運ぶナラ菌が原因。ドングリをつける広葉樹が被害にあう。葉がしおれ、紅葉でもないのに葉が茶色や赤褐色に変色。一度枯れると木が生き返ることはない。虫は木に産卵し、越冬するという。

 都内約60の公園を管理する同協会によると、昨年8月時点で21の公園で500本超が枯れた。一部だけ枯れた木を合わせると1700本以上で被害を確認。虫の活動が収まる冬のうちに木の中の幼虫を駆除しないと、夏にまた成虫が飛び出し、被害が広がるおそれがある。

 同協会は500本を順次伐採する対策をとる。木はチップに細断して、木質バイオマス発電や紙の原料に回す。

 市町村管理の公園や街路樹でも被害が相次いでいるという。多摩市や稲城市は昨年末、ナラ枯れ対策の費用を補正予算に初めて計上。伐採したり、薬剤を木に注入したりして、拡大を防ぐという。(前川浩之)