ウポポイ開業半年、入場者数は目標の4割 コロナが影響

西川祥一
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 北海道白老町のアイヌ文化発信拠点「民族共生象徴空間」(愛称・ウポポイ)が12日、開業から半年を迎えた。来場者はのべ19万8千人で、コロナ禍の影響で目標の4割にとどまった。今後はコロナ禍にあっても可能な情報発信のほか、調査研究機能の充実をめざす。

 国立アイヌ民族博物館、国立民族共生公園、慰霊施設からなるウポポイは昨年7月12日にオープンした。管理・運営するアイヌ民族文化財団によると、開業当初から入場制限を続け、12日までに19万8485人が来場した。月別では10月に「Go To トラベル」効果で約5万2千人とピークになった。小中高校の修学旅行が603校、約4万9千人と全体の4分の1を占めた。中核となる博物館では2回の特別展を開き、14万3千人が来場した。

 開業当初の目標は年間100万人。対馬一修・運営本部長は「コロナという厳しい状況で、半年で来場者20万人は評価できる。アンケートでも過半数が、来てよかったと回答した」と話す。

 博物館は新年度、来館しなくても展示物を映像で見られる「バーチャル博物館」をホームページにつくる。注目の展示物を解説つきで紹介し、「最近の研究でわかった事実を含め、歴史や文化を正しく伝えたい」(文化庁企画調整課)という。

 また、施設内の劇場で上映する「世界が注目したアイヌの技」が、「全映協グランプリ2020」(全国地域映像団体協議会主催)で優秀賞を受けた。米国、ロシア、ドイツの博物館に所蔵されているアイヌ民族の資料約1万点を紹介する内容だ。今後もさまざまなテーマで映像作品を製作していく。

 大学や博物館などとのネットワーク化にも取り組む。全国に散らばるアイヌ民族の資料をデータベース化し、どこに何があるかを検索できる仕組み。道内外約300の博物館・美術館に協力を求め、今月から作業に取りかかる。

 藪中剛司・研究学芸部長は「アイヌ研究に役立つばかりか、資料の貸し借りが進み、それぞれの展示内容が充実していく」と話す。(西川祥一)