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 【埼玉】コロナ禍で失業者が増える中、2度目の緊急事態宣言が追い打ちをかけ、雇用情勢はさらに悪化しそうだ。新型コロナウイルスの感染拡大前は雇用環境が比較的よかったため、降ってわいたような失業に当事者のショックは大きい。再就職を目指して動いている職業訓練の現場で、心境などを聞いた。

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 埼玉労働局によると、昨年11月の月間有効求職者数は約9万3千人(季節調整値)と前年同月より17%増えた。昨年の宣言期間中は求職者数も減ったが、6月は宣言前の約8万人に戻り、6カ月連続で増えた。

 再度の宣言で増す先行き不透明感に、失業者はどのような気持ちなのか。

 23年間海外旅行の添乗員を続けてきた鴻巣市の女性(50)は、昨年3月下旬の欧州ツアーが出発予定の前日に中止となり、それ以来、仕事がない。

 学生時代に留学したことを生かそうと添乗員になった。団塊世代の退職で海外旅行に行く人が増え、最近は年間300日近く海外に出ていた。イタリア人気でイタリア語も学んだ。

 コロナ禍が収まらず、昨年12月からハローワークでみつけた職業訓練のパソコン教室に通う。女性は「いま、ツアーがあると言われれば行く。これまで9・11(米同時多発テロ)もSARS(重症急性呼吸器症候群)も乗り越えてきたのに悔しい」と話した。

 上尾市の女性(50)は、さいたま市内のブライダル事業会社の契約社員として、結婚式場の紹介や貸衣装の提供などの仕事に5年携わってきた。ところが、昨年5月、会社が突然事業をやめると通告。30人余りの契約社員は7月までで職を失った。

 「結婚式を延期したお客に迷惑がかかるので、まさか事業をやめるとは思わなかった。なかなか前向きになれなかった」と話す女性も、12月からパソコン教室に通い始めた。

 2人が通う上尾市の「イーエムオーパソコンスクール」は、求職者向けに、再就職に向けたカウンセリングや面接の練習なども含めた無料職業訓練を県の委託で開く。代表の江本香苗さんは「コロナによる失職は想定外で、同じ業種に戻りにくい。ショックを受ける人も多いが、ここには同じ目標に向けて取り組む仲間もいる」と話している。(松浦新

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