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 【栃木】宇都宮市泉町のホテル丸治は、無症状や軽症の感染者を受け入れる県内唯一のホテルだ。福田治久専務(47)は「収容能力は限界に近い」ともらした。

 ホテル丸治は昨年5月から、111室を宿泊療養者向けに開放した。当初は10、20人程度の利用で推移していたが、11月下旬から一気に増え始めた。13日時点で75人が入所する。

 年末までにホテルが受け入れた人数は約150人だったが、1月中だけですでに145人を受け入れた。従業員もフル稼働という。

 通常業務に比べて、食事でのアレルギー対応や、当日の突発的な入所への対応など、細かい業務が多い。消毒作業にも神経を使う。それでも「できる限りのもてなしで、よい思い出を作ってもらいたいとやってきた」という。

 福田専務は「70人を超えたころから手が回らなくなってきた。冬が本番だとは覚悟していたが、増え方が想像以上」と頭を抱える。それでも「空室があるなら、もっと入所者を増やせ」と苦情を多く受けるという。

 福田専務によると、第2波のころまで療養者の大半は無症状だったが、現在は発熱などの症状を訴える人も多いという。救急車でホテルから病院に搬送される人も増えてきた。

 福田専務は「普通の宿泊とは事情が違う。従業員の負担が段違いだ。1施設で受け入れるのは限界がある」ともらしていた。(平賀拓史)

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 栃木県は15日、県南部に軽症・無症状者を受け入れる新たな宿泊療養施設を開設する予定。2月上旬までに県北でも開設をめざす。現在の計111室から計284室に増やす計画だ。

 県は昨年8月、計250室の宿泊療養施設を確保する計画を公表した。3月末までに達成の見通しだったが、感染者が想定外に急拡大したため、感染者に自宅待機を求めるケースが急増している。

 11月まで栃木県の感染者の増加は隣県と比べて緩やかだった。宿泊療養施設の拡充を急ぐ必要に迫られなかった分、年末からの感染者急増に十分に対応できなかった。

 例えば人口が同規模の群馬県の場合、感染者の増加ペースが速かったため、宿泊療養施設の確保を同時に進めていた。その結果、現在は396床が稼働し、余裕もある。1月下旬には約800床まで増やす計画。栃木県医療政策課の担当者は「病床とともに宿泊医療施設でも新たな確保に努めたい」としている。(池田拓哉)

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