英首相、都市封鎖中に自転車 「権力者は特別か」の批判

新型コロナウイルス

ロンドン=下司佳代子
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 新型コロナウイルスの感染抑止のため、移動制限を伴うロックダウン都市封鎖)が続く英国で、ジョンソン首相が官邸から10キロ離れた場所で自転車に乗っていたと一部メディアが報じた。ジョンソン氏はロンドン市長時代には自転車通勤でも知られたが、警察が取り締まりを強化し違反した市民が罰金を科せられるなか、「権力者は特別扱いか」と批判が出ている。

 ジョンソン氏は10日午後、五輪会場にもなったロンドン東部の公園付近で自転車に乗っていたと夕刊紙イブニング・スタンダードが報じた。公園は首相の住まいである官邸から10キロほど離れている。

 ロンドンを含むイングランドは感染力が強い変異ウイルスが猛威をふるい、食料の買い物など限られた理由をのぞいて外出が制限され、首相自ら「家にいて、医療を守り、命を救おう」と国民に呼びかけてきた。

 政府の指針は1日1回、「地元」での運動は認めており、首相側は「ルール破りはなかった」との認識だ。ただ、この騒ぎの直前、英中部ダービーシャー州で友人同士の2人が自宅から8キロ離れた公園までそれぞれ車で移動して合流。紅茶を手に距離を保ちながら散歩していたところ、警察からピクニックをしているとみなされ、各200ポンド(約2万8千円)の罰金を科されたと報じられていた。

 警察は運動のために車で移動するのは「ロックダウンの精神に反する」と主張していたが、ジョンソン氏の行動が報じられ、野党側から「ダブルスタンダードだ」と批判が高まると、罰金を撤回して謝罪した。

 政府の指針は、運動が許される「地元」について「村や町、住んでいる街の一部」としているが、明確さを欠き混乱を招いている。警察担当のモルトハウス閣外相はジョンソン氏の行動を「自力でたどり着ける場所で誰かと交流しなければ完全に合理的だ」とかばったが、英BBCは「家にいろという政府のメッセージを国民に伝える助けにはならない」と指摘している。(ロンドン=下司佳代子)

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