本の少ない古本屋 まるでカフェ、店主「楽しくないと」

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岩田誠司
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 太宰府天満宮福岡県太宰府市)近くのビルの1階に昨年、一軒の古本屋ができた。本が大好きな翻訳者が、そうでもない人にも立ち寄ってもらうにはどうしたらいいか考えた末に開いたのは、本の少ない店だった。今のところは――。

 「BOOKS ARENA(アレナ)」と書いたガラス張りの店内をのぞくと、パンの雑誌や絵本を置いたテーブルに青い座面の小さないすが8脚。レトロな照明器具が下がり、観葉植物や文具、雑貨も置いてある。本棚は壁際にしかなく、カフェか書斎のような雰囲気だ。

 「わたし、本が読めないんですけど、いいですか」。昨年12月のある日、40代の女性が店の扉を少し開けて尋ね、おずおずと入ってきた。昔から本を読もうとしてはいつも途中で挫折してきたという。

 「もちろん」。店主の中田俊介さん(46)はうれしそうに答えると、「料理はお好きですか」と声をかけた。コラムが楽しい料理本など数冊を紹介。女性は何冊か手にとってページをめくり、しゃがみ込んで読みふけった。1時間余り過ごすと、谷川俊太郎の詩集を抱くようにしてレジに向かった。実は子育てに迷い、悩んでいた。そんな心に響いた一節があったという。

 店を訪ねたのは、写真投稿S…

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