新型コロナウイルスの感染者数が急増した東京都は、都立と公社の計3病院を実質的な「コロナ専門病院」にすることを決めた。感染者の病床を確保するためだが、3病院では新型コロナ以外の診療や入院がほとんど停止されることになる。都立病院で近く出産予定だった妊婦は転院を余儀なくされ、戸惑いや不安を募らせている。
「すみません。病院がコロナ専用になるので、ここでの出産ができなくなりました」
1月8日、東京都渋谷区の都立広尾病院の診察室。来月4日に帝王切開での出産を控え、定期検診に訪れた妊婦の女性(26)によると、医師から突然、切り出されたという。
広尾病院は自宅の近くにある。難病を抱える2歳の双子も育てており、「双子の子どもに発作が起きてもそばにいてあげられるように」と、広尾病院での出産を望んでいた。もともと新型コロナの感染拡大で不安を抱えていたところで、「ショックは大きかった」という。
医師からは、ほかの病院を複数紹介された。しかし、距離が遠かったり、費用が30万円ほど高くなったりするため、まだ転院先は決められていない。
「急に言われても、そんなお金…
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朝日新聞社会部