[PR]

 京都府内が14日、2度目の緊急事態宣言下に入った。職場への出勤者を減らしたり、イベントを中止したりと、各地で「密」を避ける取り組みが再び本格化している。新型コロナウイルスのこれ以上の感染拡大は防げるか。

 京都府庁では14日、会議室などを使ったサテライト勤務や分散出勤で出勤者を7割減らす試みが始まった。人事課はいつもは22人いるが、この日は8人。

 職員総務課の林田匡民(まさひと)課長は「すぐ7割減とはいかないが、府民に協力をお願いする立場でもあり、率先して取り組みたい」。危機管理や医療福祉などコロナ対策の最前線に立つ部門を除き、働く場所や日にち、時間の分散をはかる。

 府は昨年春から、情報を管理するサーバー本体に接続できるパソコン2500台をそろえ、遠隔で働ける環境を整備しつつある。ただ、道路管理など現場での仕事や、個人情報を扱う仕事は遠隔では難しい。林田課長は「この機会に恒常的なテレワークに向けた課題の解決も考えていきたい」という。

 宇治市役所は14日、課ごとに班をつくって交代することで出勤職員を減らす取り組みを始めた。出勤しない職員は在宅勤務。2月7日までの予定だ。

 宮津市は、昨年12月に市職員数人や市議1人が感染したこともあり、職員の席を分散して別々の係の職員が混在する配置にしている。「感染者が出ると、周囲の職員が濃厚接触者となり、その係の仕事がすべて止まってしまう」(市職員)のを防ぐためだ。

 舞鶴市は土日も活用して勤務日をずらし、出勤者を減らそうとしている。ただ、住民票手続きや税務、福祉など日々の対応が必要な部署では難しい。人事課担当者は「休暇などを活用して職場の『密』を避けたい」と話している。

 企業でも対応が進む。

 島津製作所(京都市中京区)は社内ガイドラインでコロナ対策のレベルを1段階引き上げた。製造現場での7割減達成は難しいが、それ以外の部門でカバーし、全社で在宅勤務が7割を超すよう目指すという。社内会議や社の主催行事は原則中止か延期に。開催する場合もリモートを原則とし、対面での参加は5人以下とするという。

 酒造大手の宝ホールディングス(下京区)は、これまでは午後8時以降の商談などは所属長が必要と認めた場合は認めてきたが、今後は宣言の対象地域では全面的にやめる。

 リーガロイヤルホテル京都(下京区)も、フロントやレストラン以外の、客と接する機会の少ない従業員らは積極的に時差出勤やテレワークを導入してきた。「利用者が減っているとはいえ、7割減は簡単でない」(広報担当者)。バーやレストランで臨時休業や定休日を増やすなど、「お客様にご迷惑をかけない範囲でさらに工夫したい」と言う。(権敬淑、大久保直樹、佐藤秀男)

     ◇

 今回の宣言は主に飲食店の対応に注目が集まりがちだが、ほかの分野でも自粛の動きが相次いでいる。

 学問の神様・菅原道真をまつる北野天満宮(上京区)は14日から当面、閉門を1時間早めて午後4時にした。受験シーズンのこの時期、例年は多くの受験生や保護者でにぎわうが、今年は夕方の参拝者が減り、夜の外出を控えることにもつながるためだという。

 権禰宜(ごんねぎ)の東川楠彦(くすひこ)さん(38)は「参拝者と地域の人の健康や安全が優先。疫病退散と合格祈願を願っていきたい」。お守りの購入や祈禱(きとう)は、郵送でも申し込み可能だ。

 京都市の高校3年生、浜口姫歌さん(18)は私大合格や感染予防を祈願。「(コロナに)かかったら、後がないという気持ち。力を出し切れるようにがんばりたい」と語った。

 同天満宮は、25日に予定していた今年最初の縁日「初天神」も中止。東寺(南区)も21日の縁日「初弘法」をとりやめる。世界遺産の平等院(宇治市)は、12日から南門を閉鎖。境内の集印所や茶房も終日閉めている。

 宇治市は24日に予定していた行事「市COOL CHOICE(クールチョイス)大作戦」を中止した。LEDライトショーやマジックショーなどを通じて、地球温暖化を防ぐ「賢い選択」を促す狙いだった。

 一方、京都国立博物館(東山区)など、ほとんどの博物館や美術館は通常通りに開館する。(高井里佳子、大村治郎、小西良昭、紙谷あかり)