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 がん研究会有明病院(東京都江東区)は14日、がんに関する臨床研究について、厚生労働省などが定める倫理指針に違反する行為があったと公表した。患者の同意を適切に得ずに研究用の血液をとるなどしていた。病院はこの研究を中止。消化器化学療法科の医長と医師らに対し、最低1年は新たな臨床研究への参加を禁じるなどの処分を検討する。

 研究は、血液中からがん細胞由来のDNAなどを分析する「リキッド・バイオプシー」というもので、2018年7月に始まった。

 報告書によると、医長らは診療時に採血する際、あらかじめ研究内容を説明し、血液を研究用としても使うことの同意を患者から書面でとる必要があるにもかかわらず、多くは採血後に同意をとっていて、書面の存在も確認できなかった。また、院内の二つの診療科で計100例を集める計画だったが、同科のみで159例を集めていた。19年11月、医長が指針に違反していたことに気付いて報告。病院が調査委員会を立ち上げて調べていた。

 報告書は、研究への支援が十分になく、医長ら限られた人員で研究を実施した▽手順の十分な確認を怠った▽研究の過程で期待以上の結果が示されたため、より多数の症例で強固なデータにしたいと思った――ことなどを原因としてあげた。(野口憲太)