[PR]

 新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言で、対象地域が隣県の栃木や埼玉など計11都府県に広がっている。同じ北関東でも対象に追加された栃木と、発出の要請を見送った群馬。その違いはどこにあるのか。感染状況や医療体制の数字から比べてみた。

 対象地域の追加決定に伴う13日の西村康稔経済再生相の会見で示された資料によると、12日現在で群馬の病床稼働率は64・2%。国が「ステージ4」(感染爆発)の基準とする50%より約15ポイント高く、栃木の57・7%も上回っている。埼玉の65・5%にも近い値だ。

 一方、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は群馬は23・43人で、栃木の40・38人と比較すると6割程度に抑えられている。10万人あたりの療養者数も栃木が67・89人であるのに対し、群馬は33・01人と半数以下だ。

 栃木では年明け以降、連日100人以上の感染が確認され、入院や宿泊施設での療養を必要とする人が1300人以上いるが、半分程度しか病院や施設に受け入れる病床がない。病床は空いていても看護師らが不足し、受け入れ態勢が整っていない。12日現在で970人が自宅療養を強いられている。

 群馬も保健所業務の逼迫(ひっぱく)などで14日現在194人が待機中。県は3棟目の宿泊療養施設を1月下旬にも稼働させる予定で、保健所の要員も増やしているため、今後は待機人数を減らせる見込みだと説明する。症状が重く入院が必要な人は「(感染確認から)一両日中には入院できる態勢」(武藤幸夫健康福祉部長)としている。

 山本一太知事は病床稼働率の分母となる確保病床数が他県では希望的観測で発表されている可能性があると主張している。自身のブログでは県内の医療体制が逼迫しているとの認識を示した上で、「群馬は現実に稼働可能な病床数のため、稼働率が高めに出やすい」とも述べてきた。14日の定例会見で知事は「それぞれの県で状況が違う」と断った上で、「稼働率だけで見るのは正確な事実の把握に課題がある気がする」と述べた。当面は国に緊急事態宣言を要請せず、県独自の営業時間の短縮要請を続ける考えを示した。

 県のまとめによると、13日現在の1日あたりの新規感染者数は64・9人(直近1週間平均)で、前週から1・7倍近く増加。死者も新たに8人増えた。病床稼働率は66・3%まで上昇している。1日100人以上の感染者が1週間以上続いた場合には、百数十床が不足するとの試算も示し、病床の上積みに向けて医療機関との調整を続けるという。(森岡航平)