[PR]

 選挙権年齢が18歳に引き下げられてから2回目の岐阜県知事選が24日に投開票される。県内の高校では3年生の多くが有権者となり、主権者教育の実施や、校内に期日前投票所を設けるなどの取り組みをしている。だが16日に大学入学共通テストが始まるなど入試も本格化し、新型コロナウイルス感染防止に気をとがらせる生徒たちに「投票に行って」と言いづらい雰囲気も漂う。

 県内有数の進学校として知られる県立岐阜北高(岐阜市)では、教師も生徒も感染防止対策に神経をすり減らしているという。3年生のクラス担任の男性教諭は「(コロナ禍の)この1年間、生徒は部活動や遊びを我慢してきた。受験だけはやり遂げたいと頑張っている」と話す。社会科担当として、選挙の種類や候補者情報の集め方などを授業で教えてきた。一方、大事な受験前だけに少しでも感染リスクを減らしたい。「必ず投票に行けとはいえない。背中を押していいのかどうか……」と悩む。

 国公立大学を志望する男子生徒(18)は「初めて投票できる選挙だけれど、今回は行かない」と話す。同級生との会話で知事選が話題になることはないという。「候補者の公約を調べる時間も、演説を聞く時間もない。投票が感染につながるかどうかわからないけれど、万が一ということもある。受験に影響が出ることは避けたい」

 県選挙管理委員会によると、2017年の前回知事選での18歳の投票率は35・45%で、全体の36・39%を下回った。少しでも投票しやすい環境を整えようと知恵を絞る自治体もある。

 山県市選管は13日、県立山県高の校内に期日前投票所を設けた。授業後に初めて投票した3年生の服部篤さんは「緊張したけれど、身近な学校で投票できたのはよかった」と話した。一緒に投票した竹市聖夜さんは、SNSを使って候補者の経歴や政策、人柄などを詳しく調べたという。「新型コロナ感染者を減らす政策はどれがいいかを考えて選んだ。1票の大切さを感じることができて、いい経験になりました」と話した。

 今回の知事選では、岐阜市や高山市など6市の高校や特別支援学校計13カ所に期日前投票所が開設された。前回知事選の7カ所からほぼ2倍に増えている。(藤田大道、松永佳伸)