「AKIRA」が予言した未来? コロナ禍にもがく東京

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増田愛子
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 コロナ禍による東京五輪延期に、この漫画を思い出した人も多いはずだ。大友克洋さんの漫画「AKIRA」。第3次世界大戦後の近未来を描き、1980年代の世界を席巻した。「予言」だと話題になった作品は、何を問うか。

摩天楼と廃虚と

 舞台は、2019年の東京。関東に新型爆弾が使用され、第3次世界大戦が起きてから三十数年後の世界を描く。東京湾上に新首都が栄え、荒廃した旧市街で復興の象徴となる五輪の会場整備が進む。主人公の金田は、仲間とバイクを乗り回す不良少年。国家機密「アキラ」の存在を知り、その争奪戦に巻き込まれていく。

 ゲリラや米軍も入り乱れた活劇のもう1人の主役は、変化し続ける都市そのものだ。高層ビル群の足元に密集する木造家屋や商店街。崩れかけの高速道路、廃屋まで、圧倒的なリアリティーで描かれる。評論家の川本三郎さんは「ここでは過去と未来が屈折した形で結合しあっている」(『時には漫画の話を』)と評した。

 摩天楼と廃虚が並ぶ薄汚れた…

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