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 長野県軽井沢町でスキーバスが転落して乗客・乗員15人が死亡した事故で、運行会社の社長らが業務上過失致死傷の疑いで書類送検されてから3年半。遺族らが裁判での原因究明を望むなか、捜査は詰めの段階を迎えている模様だ。

 2017年6月、長野県警はイーエスピーの社長と元運行管理者(52)を書類送検。男性運転手=死亡=が運転に不慣れだと知りながら、適切な指導監督を怠った疑いがあるという。起訴するかどうかの判断は出ておらず、長野地検の細野隆司次席検事は「慎重に捜査している。ご理解いただきたい」と話す。

 背景には、社長らが事故を予見できたのかを具体的に立証しなければいけないというハードルがある。原因究明は、運転手らが亡くなったことで難航。県警の調べでは、バスは斜面に転落する直前、制限速度の倍近い96キロで走行していた。捜査関係者によると、地検は運転手が操作を誤ったとみていたが、車両故障の可能性も視野に車体をくまなく調べ直した。異常は見当たらなかったという。

 そもそも、乗客が死亡する交通事故で旅客会社側に刑事責任を問うのは「異例」(捜査幹部)。地検は、事故の予見可能性や結果回避義務を立証するために、専門家らにも聞き取りを進めているとみられる。関係者によると、昨夏に開かれた説明会で、遺族は捜査の終結が近いという趣旨の説明を受けたという。5年を節目とみる遺族感情に配慮し、詰めの捜査をしている模様だ。