「感染爆発」の神奈川、看護師研修急ぐ埼玉 医療の今は

有料会員記事新型コロナウイルス

末崎毅、長谷川陽子、今泉奏、荻原千明 黒田壮吉
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 首都圏1都3県に2度目の緊急事態宣言が出て1週間余り。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めはかからず、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)ぶりは深刻さを増している。各都県とも病床の確保を急ぐが、通常医療の患者らにも影響が及び始めている。

 今月27日ごろに患者数が病床の数を超える――。神奈川県は、今後の医療提供体制についてそんな危機的な予測を立てている。

 県が14日に明らかにしたデータによると、新型コロナの重症者をすぐに受け入れられる108床のうちすでに9割超の102床を使用。中等症・軽症者向けの847床も9割近い752床が使用中だ。ピーク時には計1939床を確保する想定だが、実際に確保できている病床とは984床の差がある。

 県は感染が拡大し始めた昨年11月下旬、入院させる人の絞り込みに着手。65歳以上の高齢者や基礎疾患がある患者は軽症や無症状でも入院させていたが、症状が軽い高齢者や基礎疾患のリスクが低い患者は、自宅や宿泊療養施設でも療養できるようにした。

 同時期に、感染者急増で、保健所の調査も遅れがちになり、感染経路を追えない人が増えた。県は「神奈川モデル」として、市中感染や学校などでも取り組んできた「積極的疫学調査」の対象を見直し、高齢者が多い医療機関や福祉施設を優先することにした。

 それでも対策が追いつかないほど感染者が急増。年明けには感染者を受け入れている医療機関に対し、延期できると判断した入院・手術は1カ月ほど延期するよう要請した。

 今月12日には黒岩祐治知事が「感染爆発の状況。発想の転換をして地域全体で対応する時期にきている」と指摘。13日には感染者を受け入れていない県内の病院に対し、入院が必要な感染者が病院内で出ても、症状が重くなければ転院させずに治療を続けるよう依頼した。県は病床確保に追われるが、感染症に詳しい医師は「県が病床拡大を要請しても、コロナ対応の経験がなく、態勢も整っていない病院は応じられないのでは」と指摘する。

 埼玉県でも14日現在、コロナ患者用に確保した1267床に865人が入院し、使用率は7割に迫る。感染者を受け入れる県内の病院の医師は「1人退院してベッドが空くとすぐに新たな患者が入ってくる。切羽詰まっている」と話す。

 病床の確保は難航し、重症患者向けに200床の確保を目標とするが、めどがついたのは7割程度。14日時点の使用率は5割を超え、重症患者の増加でさらに高まる傾向が続く。これまで重症患者を受け入れていなかった病院でも高度な治療をせざるを得ず、県は人工呼吸器の扱いを訓練する看護師ら向けの研修を開くなど、人材養成を急ピッチで進めている。

 昨年末からは入院が必要な陽性患者のうち、認知症の高齢者や、特殊な既往症のある人など、重症ではない介助が必要な患者の入院先がなかなか決まらないケースも相次ぐ。大野元裕知事は13日の定例記者会見で「こうした人にどう対応するのか。いま直面している喫緊の課題だ」と述べた。

 「ベッドがあっても看護師が…

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