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 【北海道】自民党衆院議員だった吉川貴盛元農水相が鶏卵業者から現金を受け取った疑いがある問題で、東京地検特捜部が15日、吉川氏を収賄罪で在宅起訴した。支持者から説明を求める声が上がるなか、吉川元農水相の辞職に伴う衆院道2区補選で自民党本部は候補擁立の見送りを表明。自民道連には動揺が広がる。(斎藤徹、原田達矢、松尾一郎)

 札幌市北区にある吉川元農水相の事務所ではすでに同氏の看板が外されていた。地元の70代女性は「(吉川氏は)手術を受けたと聞いたが、体調が良くなれば地元の有権者に自分の言葉で説明してほしい」と話した。長男の吉川隆雅道議は、「道民の皆様に多大なご迷惑をおかけしておりますことを誠に申し訳なく思っています。父には、公判の場で真摯(しんし)に臨んでいただき、これまでご支援いただいた皆様に誠実に対応していただきたいと願っております」などとするコメントを出した。

 衆院道2区補選は4月25日に行われる。自民党道2区支部は高橋克朋・札幌市議に出馬を要請し、道連は党本部と調整していた。ところが、吉川元農水相が在宅起訴された15日、党本部の山口泰明・選対委員長は候補擁立の見送りを突然表明した。

 「不戦敗」ともいえる決定に、道連会長の橋本聖子参院議員は「事前に相談はなく突然の決定で驚いている。心機一転、清廉な候補者を選定しようと地元にご努力いただいている最中だっただけに残念」などとするコメントを公表。ベテラン道議は「にわかには信じられない」と話す。

 この道議は「『傷は浅い方がいい』と考えたのだろう」と、吉川元農水相の現金供与疑惑で厳しいとみられた選挙戦を避けたとみる。道連関係者からは「戦える状況ではないということ」「負けるよりは出さないほうがよい、という状況なのか」との声が出た。

 野党側は立憲民主が松木謙公・元衆院議員、共産が平岡大介・前札幌市議の擁立を決めており、「政治とカネ」の問題で追及を強める構えだった。立憲民主道連の梶谷大志幹事長は「選挙戦を避け、政治とカネの問題の追及をかわそうという狙いがあるのだろう」と話した。秋までに行われる総選挙もにらみ、今後は野党共闘の動きや、他の政党の候補擁立が注目されそうだ。

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