GOTOで少し元気になったのに 人通り少ない商店街

新型コロナウイルス

川口敦子
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 「見てよ、これ。1月15日だから、ちょうど1年前。寂しいもんだよね」。

 15日午後、東京都豊島区巣鴨の「巣鴨地蔵通り商店街」。通りに目をやりながら、商店街振興組合の理事・木崎禎一さん(53)がスマートフォンで撮影した写真の中は人であふれている。だが、画面の外に目を移すと、人通りは1割にも満たない。

 昨年10月には「Go To トラベル」の影響で人出が少し戻った。木崎さんが営むかばん店も一時は売り上げが回復したが、2度目の緊急事態宣言が出た今は、昨年比1割ほどだ。

 高齢者に牙をむく新型コロナウイルスによって、「おばあちゃんの原宿」の姿は一変した。

 商店街に多い衣料品店に、高齢の女性客が連れ立って入っていくかつての風景はなく、歩いているのは一人客が多い。比較的人の出入りが多いのは青果店などで、地元の住民だろう。「年始は1月4日から営業」とあるカラオケ店には「1月7日~2月7日までお休みします」と貼り紙があった。

 午後1時過ぎ。雨がぱらついたので、傘店に立ち寄った。店番をしていた小林昌子さん(80)が「この程度の雨じゃ、みんな走って帰っちゃうだけ。ただでさえ平日で人が少ないのに」と肩を落とした。商品の上には「Go To トラベルのお供に」とカードが添えられていた。

 「とげぬき地蔵」で親しまれ、行き交う人の憩いの場だった高岩寺(こうがんじ)のベンチには、寒空の下、一人で静かに昼食を取っている女性(70)がいた。

 かつての勤務先の先輩が闘病中のため、千葉県松戸市から、病気平癒のお札(ふだ)をもらいに来た。これまで行列ができて避けていた境内の「洗い観音」も洗うことができた。「ガラガラで初めて触れられました」

 緊急事態宣言が出て、家に閉じこもる日々。縁日が開かれる4のつく日は混むために避け、この日足を運んだ。久しぶりの外での食事だが、自分一人でも店に入るのはためらわれ、持参したサンドイッチで簡単に済ませたという。

 「世間はコロナ一色だけど、それぞれ手を合わせたいことはあるはず。気兼ねなくできる日が待ち遠しいです」(川口敦子)

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