「カードが悪用された、警察署に来て」 不審電話相次ぐ

吉沢英将
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 「あなたのキャッシュカードが悪用されている。警察署に来て下さい」。こんな内容の不審電話が各地で相次いでいる。カードをだまし取る特殊詐欺の新たな手口とみられ、東京では預金を引き出される被害も確認された。お年寄りへの電話が大半だといい、警察が注意を呼びかけている。

 電話は「あなたのカードが不正に使われ、預金が引き出されました」といった内容で、「至急、警察署に来て被害届を出してください」などと続く。電話口の人物はカードの再発行を勧め、暗証番号を聞き出そうとしてくる。ただ、実際に警察署に呼び出すことはない。会話が続けば、「自宅にカードの回収にうかがいます」と言い始め、間もなく、警察官を装う人物が訪ねてくるという。

 警視庁によると、こうした電話についての市民からの相談は、昨年7月に初めて2件あった。8月は4件だったが、9月には130件に急増。10月は82件、11月は284件で、12月も120件に上った。カードをだまし取られ、預金を引き出された被害は1件。東京都杉並区の90代女性が9月に約250万円を失ったという。

 キャッシュカードの不正利用を口実にした被害はこれまでもあったが、警察署に来るよう求める文言はなかったという。警視庁は、本物の警察官と信じ込ませる狙いがあるとみている。

 同庁の担当者は「警察官が民家を訪ね、キャッシュカードを回収することは絶対にない。暗証番号を聞くこともない」と話す。不審に思ったらすぐに電話を切り110番通報するか、最寄りの警察署の代表番号にかけ直すよう呼びかけている。(吉沢英将)