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 新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が再び出て初めての週末となった16日、大阪の繁華街では一定の人出もみられたが、百貨店に入る客の数は落ち込んでいるという。業界の苦境は続く。

 南海難波駅に直結する高島屋大阪店(大阪市中央区)では、衣料品売り場は客よりも従業員の姿が目立った。いつもはまっすぐ歩くのが難しいほど混雑する地下の食料品売り場も、客はスムーズに行き交っていた。広報担当者によると、今月の入店者数は前年同期比で半分ほどという。

 奈良県斑鳩町から久しぶりに化粧品を買いに来たという女性(30)は、「平日は出歩かないようにして育児と家事に専念している。ミナミは意外と人出が多かった」と話した。

 関西の百貨店の多くは昨春、緊急事態宣言下で食品フロアだけ開けて大半の売り場を臨時休業したが、今回は閉店時間を前倒しして営業を続ける。百貨店関係者は「店を開けてほしいとの声はお客から根強い。休業すれば取引先の存続にも関わり、単純には休めない」と明かす。

 それでも売り上げは「コロナ前」に戻らない。高島屋大阪店の昨年12月の売上高は前年比約2割のマイナス。客も約4割減った。再び前回のような全面休業となれば、業績のさらなる悪化は必至だ。繁華街に人はいても、売り上げにはつながっていないようだ。広報担当者は「このままずるずると感染者数が高止まりにならないか心配だ」と漏らす。

 営業不振は百貨店で働く人たちにとっても切実だ。アパレル会社の社員で、兵庫県にある百貨店内の店舗で働く女性(42)は「冬のセールの売り上げはどの店舗もボロボロ。経済的な意味で初めてコロナが怖いと思った」と話す。

 昨年12月から客足が遠のき、例年の半分ほど。それでも、「梅田は(感染が)怖くて行かれへんからこっちに来た」という客も少なくなく、郊外店は「まだマシだ」。稼ぎ頭の大阪・梅田など都心部の売り上げが壊滅的だという。

 昨春から1割カットされていた給与は今月からさらに減額。「飲食店が大変なのもわかるが、今の政府の支援は飲食店に偏っていないか。国会議員こそ自分たちの給料を下げて、もっと幅広く国民を支援してほしい」と憤った。(河野光汰、山根久美子、加茂謙吾)