[PR]

 小説家・舟橋聖一(1904~76)の文学の世界に通じる優れた作品に贈る第14回舟橋聖一文学賞に、澤田瞳子(とうこ)さん(43)=京都府=の「駆(か)け入(い)りの寺」が選ばれた。主催する滋賀県彦根市が12月23日、発表した。江戸期の寺を舞台にした歴史小説で、「弱者に向ける優しさと温かみのある佳品」と評価された。

 澤田さんは、「満つる月の如(ごと)し 仏師・定朝(じょうちょう)」(新田次郎文学賞)や「若冲(じゃくちゅう)」(親鸞〈しんらん〉賞)などで知られる歴史小説家。受賞作は江戸時代、京都にある落飾(らくしょく、出家)した皇女の寺を舞台に、離縁を望む女性ら様々な悩みを抱える人を描く。雅(みやび)やかで心に染みる7編の短編集だ。

 澤田さんは「舟橋聖一ゆかりの賞を賜った事実に励まされながら、新たな窓を開いていきたい」とコメントを寄せた。副賞は50万円。

 舟橋の代表作「花の生涯」は、幕府の大老だった彦根藩主・井伊直弼(なおすけ)を描き、NHK大河ドラマの第1作目の原作となった。舟橋は彦根市の名誉市民第1号で、賞は彦根城築城400年の2007年度に創設された。

 また、若手を対象とした第32回舟橋聖一顕彰青年文学賞(副賞30万円)は、福島優香里さん(26)=埼玉県=の「りぃちゃん」が選ばれた。(筒井次郎)

関連ニュース