ベンチャーに「海外流」ノウハウ伝授 県が主導

久保田一道
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 茨城県内のベンチャー企業に、海外展開のノウハウを学んでもらうための取り組みが進んでいる。県が旗を振り、米国でベンチャー支援に取り組む企業に指南してもらう。今月末には、海外の投資家が集まるイベントでアピールする。

 参加するのは、人工知能(AI)など先駆的な技術を使ったサービスの開発に取り組む5社。ヘルスケアや位置情報システムなどジャンルはさまざまだが、海外を目指す点は共通している。4社の拠点はつくば市で、もう1社も同市の産業技術総合研究所で開発した技術を使う東京の企業だ。

 ベンチャー企業にとって課題になるのが資金調達。研究や開発に期間を要する分野ほど、海外投資家の方が積極的に出資する傾向があるという。県は2019年、独立行政法人日本貿易振興機構と連携し、米国・ニューヨークを拠点にベンチャー支援をする企業「アントレプレナー・ラウンドテーブル・アクセラレーター」(ERA)の研修を受けてもらう事業を始めた。同年は1週間程度の期間だったが、今回は昨年11月末から今月末までの2カ月間。

 公募を経て選ばれた5社の担当者は、ニューヨークのERAのスタッフとテレビ会議システムで結び、メールで海外企業に売り込む方法や、顧客層の絞り込みなど「世界流」の考え方を学んできた。

 海外の商談では、社交辞令や謙遜を排し、短時間でストレートにアピールすることがポイントになる。プレゼンテーションの練習では、ERA幹部から「『これはなんだ?』と関心をひくような工夫を」とアドバイスが飛んだ。

 目指すのは、28日にオンラインで開かれる海外投資家向けの発表イベントだ。AIによる疾病リスクの予測システムを開発する「アクシオンリサーチ」(つくば市)の佐藤友美(ともよし)代表(62)は「研修を通じて弱点が明確になった。構想段階で積極的に投資する海外の投資家と接点を持てるのは魅力的だ」と意気込む。(久保田一道)