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 東京都内で人気の街・吉祥寺。個性豊かなその魅力を46札に詰め込んだ「吉祥寺かるた」の「第2版」が発売された。登場から1年、単なる増刷ではなく、街の変化を反映した進化版という位置づけだ。

 初版ができたのは2019年末。ツイッターなどで読み札のアイデアを募り、吉祥寺ならではの“あるある”なネタを表現した。たとえばこんなふうだ。

 「い―いせやのお兄さん息できてるの?」

 「ち―中央特快とまってよ~」

 「ま―まゆげスワンが一羽だけ」

 老舗焼き鳥店名物の店先の煙や、人気駅なのに通過してしまう列車、井の頭池の白鳥ボートの秘密……。面白いと評判になり、メディアにも取り上げられ、最初の1千組がほぼ完売。制作の中心を担ったデザイン会社「クラウドボックス」社長の徳永健さん(55)は「ただ追加でつくるだけでは面白くない」。この1年で、札に登場する店にも変化があった。

 「ゆ―ゆられてお昼寝ハンモックカフェ」のカフェがコロナ禍で昨春から休業し、そのまま再開しないことを宣言。この札を入れ替えることを決めた。「激変する時代だけに、かるたも進化して吉祥寺の新たな姿を伝えたい」

 昨年9月、再びツイッターで「ゆ」だけで募集し、50近い候補から「湯上がりに 口ずさむロック 弁天湯」を選んだ。2000年代に入ってからの一時期まで浴場を使ったライブ「風呂ロック」を企画し、星野源や斉藤和義らそうそうたる顔ぶれが歌った。1946年開業の老舗ながら、先進性に富んだ銭湯だ。

 新たな「ゆ」を、最初のかるたにも追加できるよう1札のみの販売セットも用意。シリーズ化できれば、「かるたにタイムラインの機能を加えることになる」と構想している。

 「第2版」は昨年12月に発売され、税込み2千円。ゆの札セットは、付録付きで300円。今月末まで、地元の本屋「ブックス ルーエ」で人気札のパネルや制作過程を伝える展示会を開催している。(井上恵一朗)