「しあわせ運べるように」神戸市歌に 原点の校庭へ還る

阪神・淡路大震災

後藤遼太
【動画】「しあわせ運べるように」を合唱 作者現役最後の1・17=後藤遼太撮影
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 阪神・淡路大震災直後の神戸で生まれ、復興を願って歌い継がれてきた合唱曲「しあわせ運べるように」が17日、26年前に初めて歌われた小学校に響いた。3月で定年を迎える作曲者の臼井真教諭(60)は「奇跡のようで、感無量だ」と声を震わせた。

 臼井さんが合唱団の顧問を務める神戸市立高羽小(神戸市灘区)の6年生約50人が、廃校になった旧吾妻小(同市中央区)の校庭で歌声を響かせた。震災当時、臼井さんは吾妻小の音楽教諭。神戸の惨状に胸を痛めて作詞作曲し、避難所となった同校で、教え子たちが避難者のために歌った。

 その後、歌は市内の小学校で広く歌われているほか、神戸ルミナリエ成人式などでも歌われている。この日、神戸市は「市の復興を願うシンボル曲として歌われ、今なお市民に歌い継がれている」として、この歌を二つ目の市歌に指定した。

 震災当時と同じ場所で指揮した臼井さんは「震災を背負って、自分の書いた歌にうそをつかないように生きてきた」と話した。

 合唱した高羽小6年の宇都宮悠生さん(11)は「地震があったことを伝えていかなければ、という思いで歌った」と話した。(後藤遼太)

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