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認知症や視覚障害の人らの感覚、VRで体験 佐賀・基山

福井万穂
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 認知症や障害のある人の感覚を、VR(仮想現実)を使って体験するイベントが17日、基山町内で開かれた。約30人が参加し、見え方や感じ方の違いについて話し合った。

 誰もが暮らしやすい街づくりを考える県の事業「さがすたいる」の一環。VRの映像では、認知症や視覚障害、発達障害のある人らが、それぞれどのように見えたり、聞こえたりしているかを再現している。

 認知症の映像では、距離感や平衡感覚がつかみにくくなる症状を体験できる。実際には車から降りるだけなのに、高い建物の屋上から飛び降りるよう促されているように見えてしまう。

 映像では、後ろにいる介助者が「大丈夫ですよ」と声をかけてくる。体験した人からは「何が大丈夫なのか分からず、戸惑った。『車から降りますよ』と教えてもらえるといい」といった意見が出ていた。

 講師を務めたVR映像を開発した「シルバーウッド」(本社・千葉県)の黒田麻衣子さんは「例えば認知症の人が、急に叫び出したとき、本人に『どうしたの』と聞かず、介助者同士で考えてしまいがち。知識や経験で決めつけず、話を聞くことも大切」と説明した。神埼清明高校で福祉を学ぶ、竹次瑞穂さん(17)は「相手の気持ちを考えて、とよく言われるけれど、どんな風に世界が見えているのか、体験してみないと分からないこともあると思った」と話していた。(福井万穂)