被災前と同じラーメンを 仮設商店街から再出発 熊本

井岡諒
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 昨夏の記録的豪雨で被災した事業者のために、熊本県人吉市がJR人吉駅近くに設置したプレハブの仮設商店街「モゾカタウンひとよし駅前」で、最初の店となるラーメン店「大勝軒」が営業を始めた。

 店主の原田政勝さん(79)は市中心部で約30年間、年中無休で営業を続けてきた。昨年7月4日、球磨川などからあふれた水が店にも押し寄せ、自宅兼店舗は2階まで浸水。食器や厨房(ちゅうぼう)機器は使えなくなり、ひとりで切り盛りしていた店は休業に追い込まれた。

 それでも「昔なじみのお客さんのことを思うと店を畳むことは考えられなかった」という原田さん。市が募集した仮設商店街への入居に迷わず申し込み、事業者への鍵渡し式から約1週間後の12月26日に営業を再開。年末年始も店を開けた。常連客も顔を出し、20席ほどの店内は連日にぎわっているという。

 「被災で落ち込んでいる人も『おいしかったね』と笑い合える場所にしたい」。変わらぬ味のラーメンを作り続ける。(井岡諒)