「性に違和感」同意なくHPに 園児両親、削除求め提訴

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新谷〈しんや〉千布美
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 自分は女の子なのに、体が男の子――。そう話す、大津市立保育園に通う園児(6)の性別への違和感や受診歴が、同意のないままホームページで公開されているとして、両親が市に情報の削除を求めて大津地裁に提訴した。園児をめぐっては、ほかの園児からのいじめ行為に対する対応が不十分だったとして、市が両親に謝罪。両親は、性的少数者の子どもに対する市側の無理解を訴えている。(新谷〈しんや〉千布美)

 訴状によると、受診歴などが公開されているのは、大津市のサイトにある保育園のページ。2019年度の「保育園評価書」のPDFファイル内で、氏名を伏せて園児のことが紹介されている。昨年7月末には掲載されていたという。

 評価書はA4判2枚。今後の課題などの欄に、「今年度入所した4歳児が、自分の身体の性に違和感を感じる訴えをしたことをきっかけに、11月に受診された」とある。続けて「LGBT対にする知識や認識を職員が高めていくようにする(原文ママ)」と書かれている。

 自分の性をどう思っているか(性自認)、どんな人に恋愛感情を抱くか(性的指向)を本人の意思に反して明かす「アウティング」。偏見や差別を招く行為として問題になっている。

 15年、同性愛者だと同級生に暴露された一橋大大学院生が建物から転落死。昨年11月、家族が同大に賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は「人格権やプライバシー権を著しく侵害する」と指摘した。

 園児の母親(35)によると、公開を知ったのは昨年秋。知人から連絡を受けた。19年度入所の4歳児はわずかで、「もう大津で暮らせない」と感じたという。社会全体で問題意識を持ってほしいと考え、昨年12月25日に提訴した。

 園を管轄する市幼児政策課によると、評価書は民間を含む全園が作成。市立保育園は全て市のHPで公開することになっていた。園児側に事前説明はしていなかったといい、担当者は1月14日の朝日新聞の取材に対し、「訴状がまだ届いていないが、保護者の思いを重く受け止めて対応する」と話した。

 評価書は、朝日新聞に記事が掲載された18日にHP上から削除された。

相談しても、園からは「じゃれあい」と

 園児は現在、円形脱毛症適応障害の症状があり、登園できていない。1年半以上前から、いじめ行為が続いていたためだという。

 3歳ごろから「自分は女の子…

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