コロナ禍、職も家も失い西成へ 夢中でかき込んだカレー

有料会員記事新型コロナウイルス

安井健悟
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 新型コロナウイルスの影響で仕事と家を失い、路頭をさまよった男性がいる。生きるために仕事を探し、たどり着いた街で生活困窮者の支援団体に救われ、新たな住まいで年を越すことができた。ただ、再びの緊急事態宣言で先を見通せず、不安を募らせている。

 「家がある状態で年を越せて良かった」。今月10日、大阪市西成区にあるアパートの4畳半の個室で男性(37)はほっとした表情を見せた。そして、人生で初めて住む場所を失い、どん底を経験した、あの日々のことを振り返った。

 昨年11月20日、勤務先の大阪市内の太陽光パネル設置会社から突然、解雇通告を受けた。非正規採用で郊外の現場までマイカーで同僚を運ぶのが仕事だった。住み込みのため、会社の寮を出ることになった。

 昨春までは月に20日近く仕事があったが、コロナ禍で夏ごろから工事が減り、数日しか呼ばれなくなった。車の諸経費込みで給料は1日1万4千円。働いた日数に応じて支給されたが、約4万円の家賃に携帯電話代、ガソリン代などを支払えば手元にはほとんど残らない。ついに工事が途絶え、雇い主から「これ以上仕事をさせられない」と告げられ、途方に暮れた。

 和歌山県内で生まれ、両親は2歳の時に離婚。姉は父親に、男性は母親に引き取られ、再婚相手の2番目の父親は17歳の時に他界した。高校卒業後に料理人になろうと大阪へ出たが、先輩から包丁を投げつけられるなどの暴力を受けた。朝早くから夜遅くまで働いて時給400円ほどでは生活できず、25歳で夢をあきらめ、以降は職を転々とし、主に現場作業員をした。

 解雇を告げられた日の夜、以前勤めた造船会社の上司の言葉を思い出した。「俺は西成でコツコツ働いて親方になった。あそこなら何かしらの仕事がある。困ったときに行けばいい」

牛丼店でお茶だけ飲み…

 所持金は5千円。携帯電話は料金不払いで使えず、残された車に少量の給油をし、西成に向かった。

 「一刻も早く生活費を稼がな…

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