権敬淑、向井光真
京都府内で新型コロナウイルスの感染が確認された2人が年末年始、自宅で待機して療養中、重症化して亡くなっていたことが分かった。西脇隆俊知事と京都市の門川大作市長が17日、明らかにした。感染者の急増に伴い、速やかな入院先の確保や医療の提供をできていない実態が浮き彫りになった。
府や市などによると、1人は基礎疾患のあった80代女性。12月24日に市内でPCR検査を受け、25日に陽性が判明。発熱はあったが軽症と判断された。市から連絡を受けた府の入院医療コントロールセンターが入院先を調整したが見つからず、自宅待機中に容体が悪化。31日に亡くなったという。1月にも待機中の高齢者が亡くなったという。
西脇知事は「痛恨の極み。心からお悔やみ申し上げる」と述べ、待機者を含む感染者の健康観察を徹底するよう指示したという。門川市長も「尊い命が失われた。お悔やみを申し上げる。これを教訓として府市、医療機関が一体となって感染拡大防止に全力を尽くしたい」と話した。
コロナ対策にあたる府医師会の松井道宣会長によると12月29日~1月3日、すぐ入院が必要なのに、受け入れ先が見つからなかった感染者が「京都市内だけで二十数人はいた」。医療のひっぱく度を見る指標の一つ、高度重症病床(30床)の使用率は15日時点で60%(18床)になっている。
松井会長は「医療現場は本当にギリギリ。春以上の重大な局面だと認識し『うつらない』『うつさない』ための行動の徹底をお願いしたい」と話した。(権敬淑、向井光真)
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