田中ゑれ奈
平面か立体か、直線か曲線か、軟らかいのか硬いのか。布の張力を利用した造形作品で知られる渡辺信子の新作展「色彩と空間の向こうの向こう」が、神戸市中央区のギャラリー島田で開かれている。
渡辺は木製の構造体を布でぴったりと覆う手法で、絵画と彫刻の間を行き来するようなシリーズを手がけてきた。壁に掛けられた作品を正面から一見すると平らなキャンバスのようだが、中の木枠は一部欠けていて、その部分にだけなだらかな曲面が生じる。
今回、渡辺はギャラリーの三つの部屋をそれぞれ違う空間に仕立てた。白い作品の展示室では、作品のパーツごとに明るい白やグレーがかった白、薄いクリーム色といった具合に少しずつ白のニュアンスが変わり、曲面に落ちる光がグラデーションを生む。木枠のない箇所を接して二つのパーツが組み合わさることで、境界に布が引き込まれ影がたまる。
色を使った部屋では、紙のよう…
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