速度出ないが小回り抜群 トヨタ超小型EVに乗ってみた

三浦惇平
【動画】トヨタの超小型EV、狙いは「ちょい乗り」用 記者が試乗=三浦惇平撮影
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 トヨタ自動車は昨年末に、超小型電気自動車(EV)「C+pod(シーポッド)」を発売した。1回満充電すると、航続距離は150キロ。意外に短い。トヨタが、短距離の移動と駐車を繰り返すような利用を想定しているからだ。超小型EVは、「ちょい乗り」の車として定着するのか。記者が試乗してみた。

 シーポッドは、長さ約2.5メートル、幅約1.3メートル、高さ約1.6メートル。大人2人が並んで座れる。軽自動車の一種の「超小型モビリティ」に分類。最高時速は60キロで、高速道路は走れない。

 リチウムイオン電池を搭載し、一般家庭の電源にケーブルを差し込んで充電できる。充電時間は、一般的な100ボルトの電源で約16時間かかる。

 車内は、シートの間にパーキングブレーキやシフトレバーはない。二つのシートが密着しているが、大人の男性2人が並んで座ってもそれほど窮屈さは感じない。シフトスイッチはプッシュ式でダッシュボードに設けられ、パーキングブレーキは足元にある。ビジネスバッグや買い物袋などの手荷物は、後部の収納スペースに載せられる。室内はすっきりしている。

 アクセルを強く踏み込んでもスピードはあまりでないが、上り坂でもスムーズに進める。EVならではの力強さを感じる。エンジン音がしないため、走りはガソリン車よりも静かだ。

 小回りがきくのも特徴の一つだ。カーブでは大回りすることなく、曲がれる。ハンドルを最大限切って旋回した時に一番外側のタイヤが描く円の半径を示す「最小回転半径」は軽自動車でも4メートルを超えるが、シーポッドは3.9メートルまで抑えたという。運転に慣れていない人でも、安心して細い道を通れるだろう。狭い場所でも駐車でき、プリウス1台分のスペースに、シーポッドを2台置けるという。

 EVは、現在の電池の技術では、航続距離を伸ばすのが難しい。トヨタは当面、EVが短距離の移動手段として活用されると見込んでいる。

気になる価格は

 一方、EV普及の課題として、ガソリン車と比べたときの価格の高さも挙げられるが、シーポッドは装備を最小限に抑え、一般的な軽自動車と同水準。エアコン付きが税込み約172万円、エアコンなしが同165万円。政府の補助金が、1台につき22万円出る。

 軽自動車に比べ、航続距離は短く、乗車人数も限られる一方で、駐車スペースは小さくて済み、小回りがきく。細い道を通ったり、狭い場所に止めたりする必要がある、企業や自治体の営業の外回りや定期的な訪問業務などに向いている。また、自宅の駐車スペースが限られている人や運転に慣れない人が、買い物など近所に出かけるのに使うのも良いだろう。

 トヨタは当面の販売は企業や自治体に限り、2022年をめどに個人に販売する予定だ。まだ認知度の高くない超小型EV。企業や自治体に、まずは受け入れられるか。今後の普及のカギを握りそうだ。(三浦惇平)