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ハゲタカと戦った328日②

 旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)から買収を仕掛けられた中堅不動産会社ユニゾホールディングスの経営陣や社員たちは、驚きを隠せなかった。2019年4月に決算発表をすませ、株主総会も終えたばかりだった。ほっとしていた矢先の青天のへきれきだった。

 それまで経営は順調だった。みずほフィナンシャルグループ副社長だった小崎哲資(68)が銀行での社長レースに敗れ、常和ホールディングス(現ユニゾホールディングス)にやってきたのは2010年。常和はみずほフィナンシャルグループの母体の一つである旧日本興業銀行の事実上の系列会社だった。

 東証2部上場の不動産会社だった常和の2010年3月期の売上高は136億円。そこから急成長し19年3月期は売上高560億円、経常利益117億円になった。売り上げ規模が9年間で4倍になった計算だ。

 小崎は世界的な金融緩和で資産市場にマネーが流れ込み、不動産需要が右肩上がりになるとみていた。そこで国内の主要都市の一等地に次々とビジネスホテルを建てた。米ニューヨークでは、優良オフィスビルの値が大きく上がる前に積極的に買いに出た。米紙に「ニューヨークで最も活発に不動産を買っている日本企業」と紹介されたこともある。

 倉庫やゴルフ事業などから撤退して選択と集中を進め、ピーク時には国内外にホテルやオフィスビルを合計135棟保有するまでになった。

 15年には社名を現在のユニゾホールディングスに変えた。みずほ系(旧興銀系)の天下り先からの脱皮をめざした。

 ユニゾ経営陣にとって敵対的なTOBは想定外だった。すぐに対処方針を決めなければならない。HISは友好的な協業をしたいと言っているようだが、ユニゾ側は納得していなかった。HISはユニゾ幹部に探りを入れるような面談をしたあと、幹事証券である野村証券を通じて社長の小崎への面談を打診してきた。詳しい用件を明かさないため応じなかったが、HISは裏では大量のユニゾ株を買い集めていた。最初から敵対的な買収に乗り出すつもりだったに違いないと、ユニゾ経営陣は受け止めた。

■株主名簿に意外…

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