茨城大生殺害、元少年「間違いない」 17年後の初公判

佐々木凌、小島弘之
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 茨城大学農学部2年だった女性(当時21)が2004年に殺害された事件で、殺人と強姦(ごうかん)致死の罪に問われた当時18歳のフィリピン国籍の住所不定、無職の男(35)の裁判員裁判が18日、水戸地裁(結城剛行裁判長)で始まった。男は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 起訴状などによると、被告は04年1月、職場の同僚だったランパノ・ジェリコ・モリ受刑者(39)=無期懲役の判決が確定=と当時19歳の男=国際手配中=と共謀し、阿見町付近の路上で通りかかった女性を車に連れ込んで性的暴行した後、首を絞めた上、胸をとがった凶器で刺すなどして殺害したとされる。

 事実関係に争いは無く、量刑が争点になる。被告が果たした役割や、共犯者との間の主従関係の有無が審理される。

 検察側は冒頭陳述で、共犯とされる2人と被告との間に上下関係はなかったと主張。3人で酒を飲んだ後、被告が「女の子をレイプしよう」と持ちかけたと説明した。また、被告が女性の首を絞めたとして、「死因に直結する行為」と指摘した。

 これに対し弁護人は、被告は従属的な立場だったと主張。3人の中で最も若かったことなどをあげ、「殺害には反対したが、意見が通らなかった」と説明した。また、事件の約3年後にフィリピンに帰国した被告が、自ら出頭の意向を示して再来日した経緯に言及。「真摯(しんし)に反省している」と訴えた。

 この日はランパノ受刑者が証人として出廷し、「3人に上下関係はなく、兄弟のような関係」と証言した。事件の経緯について「3人で酒を飲んでいた際に、被告が『女性を探そう』と言い出した。誰かをレイプしようということだと思った」と説明した。

 裁判員裁判は28日に結審し、判決は2月3日に言い渡される予定。(佐々木凌、小島弘之)

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 〈茨城大生殺害事件〉 2004年1月、茨城大農学部2年の女性(当時21)の遺体が美浦村内で見つかった。県警は事件から13年後の17年に、ランパノ受刑者を殺人などの容疑で逮捕。水戸地裁は18年7月、「2人の兄貴分として殺害にも主体的に関与した」として無期懲役の判決を言い渡し、その後確定した。

 県警は事件の共犯として、ランパノ受刑者の同僚だったフィリピン国籍の元少年2人の逮捕状もとり、国際手配した。18日に初公判があった男は07年に帰国していたが、19年1月に日本に入国して県警に逮捕された。もう1人の男はフィリピン国内にいるとみられるが、日本との間に容疑者の引き渡しに関する協定はなく、身柄を拘束できる見通しは立っていない。