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 大学入学共通テストの受験生が鼻を出したままマスクを着用し続け、成績が無効になった問題で、警視庁がこの受験生の男(49)を建造物不退去容疑で現行犯逮捕していたことが19日、同庁への取材でわかった。試験会場となった大学のトイレに約4時間閉じこもったという。

 深川署によると、逮捕された男は16日午後6時ごろ~午後10時ごろ、東京都江東区越中島2丁目の「東京海洋大学越中島キャンパス」のトイレの個室に閉じこもった疑いがある。同日午後6時半ごろ、大学から「共通テストで不正行為を行った者が居座っている」と通報があり、駆けつけた警察官が男がいた個室に天井の隙間から入り、取り押さえたという。

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 男の成績が無効となったことについて、萩生田光一文部科学相は19日の閣議後会見で「試験運用上、看過しがたい状況だったと聞いており、適切な措置だと認識している」と述べ、試験会場となった大学や大学入試センターの対応に問題はなかったとの認識を示した。

 センターによると、男は16日、都内の大学で地理歴史・公民、国語、外国語を受験。複数の監督者からマスクで鼻まで覆うように6回にわたり注意を受けたが、指示に従わなかったため不正行為と認定し、成績を無効とした。

 文科省によると、男は不正行為と認定された後も退去を拒み、英語(リスニング)の試験前に他の受験生31人が別室への移動を余儀なくされ、予定より試験開始が5分遅れたという。

 萩生田氏は「周囲の受験生からも苦情があった。同じ会場にいた受験生にはずいぶん精神的にも影響を与えてしまったのではないか」と述べた。男が退出に応じず、大学内のトイレに何時間も居座り、警察が出動したことも明らかにした。

 新型コロナウイルスの感染防止策として「受験上の注意」などには、昼食時を除き常時マスクを正しく着用するよう受験生に求めている。明らかに激しいせきをしている場合など他の受験生に迷惑がかかると監督者が判断した場合は、別室に移動させたり追試験にまわってもらったりするとも明記されている。

 共通テストは大学入試センター試験に代わり今回が初めての実施だった。萩生田氏は「単なる暗記再生型の出題ではなくて、新しい試験にふさわしい内容になっていたのではないか」と述べた。(岩田恵実、鎌田悠)