川辺川への流水型ダム計画 「環境配慮」に懸念の声

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竹野内崇宏
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 熊本県南部の川辺川への建設が検討されている流水型ダムについて、生態系への影響を懸念する声が自然保護団体などから上がっている。川の流れを普段は止めない流水型は環境負荷が小さいとされるが、先行例が少なく、根拠となるデータは乏しいという。流域自治体から建設を急ぐ要望も出るなか、団体側は十分な調査を求めている。

 川辺川ダム計画の環境への影響を調べてきた環境カウンセラーの靎(つる)詳子さん(71)=熊本県八代市=は「流水型ダムは環境に優しいというイメージが植え付けられているが、根拠はほとんどない」と訴える。

 旧建設省は水害防止などを目的に1966年、川辺川ダム計画を発表。ただ、清流で知られる川の水質悪化への懸念から反対の声が根強く、蒲島郁夫知事が2008年に「白紙撤回」を表明し、国が翌年中止した。

 だが、昨年7月、川辺川を最大支流とする球磨川豪雨被害が相次いだことを受けて蒲島知事がダム容認へ方針を転換。「環境に極限まで配慮し、清流を守る」として、普段は流れを止めず大雨時だけ水をためる流水型を国に求めた。

 国土交通省は昨年12月、川とほぼ同じ高さに放流口を設ける流水型ダムの構想を提示。通常は川が流れる状態のため水質を維持しやく、魚が川を行き来するのを妨げにくいとしている。

 靎さんはかつて、絶滅が危ぶまれるクマタカの生息域を調査し、川辺川ダム関連工事の一部見直しにつなげたことがある。靎さんによると、国内の十数基を含む既存の流水型は環境調査の例が少なく、環境への影響は不明。一方、流水型でも大雨時にはダム湖ができ、希少な虫やコウモリが生息する五木村の洞窟「九折瀬(つづらせ)洞」が水没するおそれは変わらないという。「水質は保てるかもしれないが、他は従来のダムと差がないのでは。必要性を検討し直すべきだ」

 NPO法人ラムサール・ネッ…

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