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 菅義偉首相の肝いり政策である携帯電話料金の値下げ。政権の強硬な姿勢を受けて、携帯大手3社は横並びで3月からの割安な大容量の新料金プランを打ち出した。利用者には吉報だが、喜んでばかりでいいのだろうか。2人の論者に「官製値下げ」の真価を尋ねた。

ITジャーナリスト 西田宗千佳さん

 ――菅政権の値下げ圧力に反対の立場をとっていますね。

 「最近は、大手でもデータ量次第で安いプランが出ていたし、格安スマホ事業者も台頭していました。楽天モバイルも新規参入した結果、ゆっくりですが、企業間の競争で値下げが起こる土壌は整いつつあった」

 「なのに今回、大手3社が横並びで楽天などと同じ価格帯まで料金を下げることになりました。楽天や格安事業者はこれからどう戦えばいいのでしょうか。総務省がこれまで進めてきた競争政策を打ち砕き、将来に禍根を残すことにつながると懸念しています」

拡大する写真・図版ITジャーナリストの西田宗千佳さん

 ――でも、携帯料金は高いと感じている消費者は多いです。

 「料金問題の元凶は、料金体系の分かりにくさにあります。広告で『最安値で5千円台』とうたっていても、光回線や家族でのセット契約が割引の条件になっているケースが多い。いったん割引契約すると他の事業者へ移りづらくなる。また、1人で単純に契約すると、割高な正価になってしまう」

拡大する写真・図版【図解】増え続ける携帯料金

 「かつての『ゼロ円端末』のような過度な割引ができなくなり、端末代金と通信料金も完全に分けるルールになったのも一因です。月々の支払額には通信料金に端末の割賦が上乗せされ、結果的に毎月支払う料金が高くなる。日本でiPhone(アイフォーン)のシェアが高いのは、高い端末でも売れるように割引プランを設けているためです。買いやすくする工夫ですが、料金体系の複雑さを助長してもいます」

記事後半では、中央大の実積寿也教授も官製値下げの問題点を指摘。研究開発への投資や技術革新の遅れを招く可能性があると主張します。

■「成果急いだ政権、人気取りに…

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